Abstract: Akama Ryo (2009)

The Challenge of Digital Archiving of Japanese Art Collections in Europe Using a New Method of ARC

現在、アート・リサーチセンター(ARC)では、欧米の博物館や個人コレクションにある浮世絵や絵本などを対象に、高精度なデジタル画像による「デジタルアーカイブ」を進めている。浮世絵については、V&A博物館や大英博物館などを対象に、英国で約5万枚を越える撮影を終えた。引続き、ドイツ、イタリア、フランス、チェコなどの所蔵機関において同様な総合デジタルアーカイブに展開している。早稲田大学演劇博物館や都立中央図書館、立命館大学ARCなどの所蔵品や、図録に掲載された作品をも含めて、これらのデータは、現在22万枚を越える浮世絵データベースに発展しており、浮世絵研究に必須のDBとして評価されている。

 この所蔵品アーカイブの特徴は、

Abstract: Noguchi Sachie (2009)

出版物への画像使用許可取得について:3つの事例 

 

日本の出版物などに掲載された画像を、別の出版物に再掲載するために許可を得た三つの事例について報告する。まず、イヴリン・ロースキー教授の『The Last Emperors(最後の皇帝)』という著書のために『内藤湖南全集』に掲載された2枚の写真を、著作権情報センター(社)を通じて許可を得た例についてのべる。次に、『九鬼周造全集』に掲載された図版を、ナラ・ヒロシ先生の『The Structure of Detachment(粋の構造)』に再掲載するために、出版社、岩波書店を通じて許可を受けた例について、そして、最後にカーネギー美術館で開催された「Urban Metamorphosis: One Hundred Views on New Tokyo(都市の外観変化:新東京の百の景観)」という展覧会のカタログに掲載するため、毎日新聞フォトバンクの所有する2枚の写真とその使用権を得た例について報告する。

Abstract: Nakamura Sumiko (2009)

55枚の小さな浮世絵
国立劇場所蔵(役者見立絵)三代歌川豊国画『東海道五十三次』

国立劇場所蔵の錦絵の中に、『五十三次』という題箋の付いた小さな画帖がある。 この画帖の中味は、三代歌川豊国の『役者見立東海道五十三次』であり、大判に倣って、日本橋から京までの55駅についての美しい役者絵と目録である。中判の和紙一枚に人物が向き合うように、二駅二人ずつ描かれ、そこに豊国の落款・彫師・版元・改印が記されている。 その和紙を二つ折りにし、順に貼り合わせた折本型の画帖である。正編ともいえる大判の『役者見立東海道五十三次』が嘉永5年6月に終了した後、同年の9月から12月にかけて作成され、翌年9月に最後の「京」と「目録」が作られた。 この画帖の重要なところは、今のところ、この一冊しか確認できないことである。 大判とは違う趣があり、貴重な作品といえよう。

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